オメガのスピードマスターは、名作『DEATH NOTE』の主人公・夜神月が愛用したことで注目を集めています。
とくに2004年に発売された日本限定モデル「3570.40」は、原作に登場する仕掛け時計と深い関わりを持つ希少な1本。
この記事では、夜神月の人物設定や劇中演出との関連性、オメガ スピードマスターの歴史的背景と魅力、そして中古市場での価値まで、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
時計と作品のリンクを紐解く情報が満載です。
記事のポイント
- オメガのスピードマスターが夜神月の腕時計だとわかる
- 3570.40が夜神月モデルと呼ばれる理由を理解できる
- 作中での時計の仕掛けや役割を具体的に把握できる
- スピードマスターの歴史と人気の背景がわかる
夜神月が愛用した腕時計はオメガのスピードマスターだった?

原作で夜神月が着けていた時計はどのモデル?

夜神月が原作『DEATH NOTE』で着用していた腕時計は、オメガの「スピードマスター プロフェッショナル MARK II」と推定されています。
これは、2004年に日本限定で2,004本のみ販売された「月面着陸35周年記念モデル(Ref. 3570.40)」です。
このモデルは、漫画内で父・夜神総一郎から東応大学合格祝いとして贈られたものであり、実在する高級時計をそのまま反映した描写がされています。文字盤のデザインや形状などが細部まで描かれていることから、ファンの間でもモデルの特定が進みました。
オメガ公式には直接的なキャラクター使用の記録はありませんが、時計専門家やコレクターの間ではこの限定モデルが「夜神月モデル」として広く認知されています。
夜神月=月=MOONという名前と、「ムーンウォッチ」として知られるスピードマスターの組み合わせは、作品の象徴性とも見事にマッチしています。

私も連載当時は気づきませんでしたが、腕時計は単なる小道具ではなく、キャラクターの世界観を補強する重要なアイテムとして選ばれていたんですね。
Speedmaster MARK II 3570.40の特徴と基本スペック

Speedmaster MARK II 3570.40は、オメガが2004年に発売した日本限定の記念モデルです。「アポロ11号 月面着陸35周年」を祝して制作され、限定2,004本という希少性を誇ります。
このモデルの大きな特徴は、1969年に発表された初代MARK IIの「レーシングダイヤル(グランプリダイヤル)」を忠実に再現している点です。外周にはオレンジとホワイトのチェッカー柄が配置され、視認性とデザイン性を両立しています。
主なスペックは以下の通りです:
- ケースサイズ:42mm
- ムーブメント:Cal.1861(手巻き)
- パワーリザーブ:48時間
- 素材:ステンレススチール
- 風防:プラスチック製
- 防水性:5気圧
Cal.1861は、NASAの公式採用を受けたムーブメントであり、宇宙でも耐えられる信頼性の高さが魅力です。
また、このモデルにはブランドロゴやMARK IIのロゴが控えめに配置されており、クラシカルでありながらスポーティな印象を与えます。
限定品という性質上、現在では中古市場でもプレミアがついており、オメガ愛好家やDEATH NOTEファンからの支持も高い1本となっています。

このモデルは“通好み”のスピードマスターとして知られています。
見た目の派手さより、機能と歴史を重視したい方にぴったりですよ。
月面着陸35周年モデルが選ばれた理由とは?

夜神月が着用していたとされる「3570.40」が選ばれた理由は、作品テーマと時計の象徴性が深くリンクしているからです。このモデルは、アポロ11号の月面着陸35周年を記念して2004年に日本限定で発売されました。
「月=ライト」という夜神月の名前と、「ムーンウォッチ(=月の時計)」というスピードマスターの通称が重なることで、キャラクターの象徴として極めて意味のあるアイテムとなっています。
さらに、原作ではこの時計が「父からの贈り物」として登場する点も重要です。東応大学に首席で合格した息子に対し、警察官僚の父・総一郎が選んだ一本が、スピードマスターの中でも特別な記念モデルだったという設定は、現実の時計ファンにとっても納得の選択といえます。
また、2004年という販売年は、『DEATH NOTE』連載開始年(2003年)とほぼ同時期であり、制作側のこだわりが反映された可能性も高いと考えられています。
結果として、「3570.40」は単なる高級時計ではなく、夜神月というキャラクターの理念と物語を体現するアイコン的存在となりました。

“月の神”であるライトが、“月面記念”のスピードマスターを着けている。
偶然とは思えない演出ですね。作者の遊び心を感じます。
DEATH NOTEで時計が登場する印象的な場面
『DEATH NOTE』において、時計は物語の鍵を握るアイテムとして幾度も登場します。
特に夜神月のオメガ スピードマスターは、ただの装飾品ではなく、重要な仕掛けを内蔵した“道具”として描かれています。
代表的な場面は、「腕時計の裏にデスノートの切れ端を隠し、リューズを4回引くことでスライドして取り出せる」という設定です。これはフィクションならではのギミックですが、ストーリーの中では極めて重要な役割を果たします。
例えば、最終決戦において月は、この時計に仕込んだノートの切れ端を使ってニアの名前を書こうとし、まさに命運をかけた場面で使用しました。この演出により、時計そのものが“死と運命を握るスイッチ”として象徴的に描かれています。
また、物語の各所で「何時に死ぬか」がデスノートの設定に深く関わるため、時間を測る=命を決めるという暗喩としても、時計の存在感は大きなものとなっています。
このように、『DEATH NOTE』では時計が単なる時刻の確認ツールではなく、戦略・緊張・象徴性を持った重要アイテムとして扱われている点が特徴です。読者の印象にも強く残る名シーンの一部を担っていると言えるでしょう。
夜神月の人物設定と時計の演出がリンクする理由

夜神月のキャラクターとスピードマスターの演出は、作品のテーマや性格描写と深く結びついています。優秀で冷静沈着、計算高い夜神月のイメージに、高精度で歴史あるスピードマスターがぴったり重なります。
まず、夜神月は全国模試1位・東応大学首席合格という知的エリート。さらに正義感と責任感を持ち合わせた優等生として描かれます。このような「完璧主義」な人物にふさわしい腕時計が、宇宙空間でも使用された信頼性の高いスピードマスターであることは、ごく自然な選択です。
また、リューズを4回引くことでノートの切れ端が出てくるという構造は、優れた頭脳と器用さを持つ月だからこそ可能な“仕掛け”と解釈できます。これは、彼がただの学生ではなく、犯罪者を裁く“神”としての一面を強調する象徴的演出でもあります。
さらに、月が使用する時計が「日本限定モデル」である点も、特別感や孤高さを際立たせています。世界にたった2004本という希少性は、他と一線を画した月の存在を暗に示しているといえるでしょう。
つまり、スピードマスターは夜神月という人物像を“視覚的に語る”重要な小道具であり、作品全体のメッセージ性ともリンクしているのです。

月の頭脳やプライド、完璧主義な性格を反映させるなら、
やはりスピードマスター以外には考えにくいですね。
映画版で使われた腕時計はシチズン・オルタナ
映画『DEATH NOTE』で夜神月が使用していた腕時計は、シチズンの「オルタナシリーズ」のモデルです。これは原作とは異なり、より現実的で手の届きやすい価格帯の時計が採用されています。
映画版で使用されたのは、光発電「エコ・ドライブ」搭載のクォーツクロノグラフで、実売価格は2万円台。一般的な学生でも入手可能なモデルであり、映画の世界観をよりリアルに、等身大の設定にするための演出と考えられます。
劇中では、オルタナの文字盤がスライドし、中からデスノートの切れ端が出てくるギミックも登場します。しかし、現実のオルタナはそのような構造を持っておらず、この仕掛けは映画オリジナルの演出です。
時計にスライド構造を組み込むことは、製品の厚みや内部設計から見ても極めて困難です。仮に実現した場合、厚さが20mm以上になってしまい、日常使いには適さないでしょう。
つまり、映画に登場するオルタナは「見た目と演出のリアリティ」を重視した設定であり、原作に登場した高級モデルとは異なる方向性を採用しています。
この違いは、作品ごとの演出方針や、観客層に合わせた世界観の構築に基づいたものといえるでしょう。読者・視聴者にとっては、原作と映画を比較する楽しみの一つにもなっています。
オメガ スピードマスターと夜神月モデルの魅力を深掘り

なぜスピードマスターは「ムーンウォッチ」と呼ばれるのか?

オメガのスピードマスターが「ムーンウォッチ」と呼ばれる理由は、1969年のアポロ11号月面着陸に公式採用された実績にあります。このとき宇宙飛行士バズ・オルドリンの腕に装着されていたのが、オメガ スピードマスター プロフェッショナルでした。
NASAは宇宙空間で使用できる腕時計の選定にあたり、複数のブランドからモデルを取り寄せ、高温・低温・無重力・衝撃・加圧などの過酷なテストを実施しました。その中で唯一合格したのが、スピードマスターです。
この出来事をきっかけに、スピードマスターは「ムーンウォッチ=月に到達した唯一の腕時計」として知られるようになりました。これは時計の歴史だけでなく、宇宙開発史にも刻まれる出来事です。
ちなみに、アポロ13号で起きた酸素タンク爆発事故の際にも、船内の計器が停止した中で正確な再突入時間を計測するためにスピードマスターが使われたという逸話もあり、その信頼性は極めて高いとされています。
このような背景から、スピードマスターには単なる時計以上の「宇宙の物語」が込められているのです。だからこそ、ムーンウォッチの名は今も多くの人々に尊敬と共に語り継がれています。

“ムーンウォッチ”という呼び名には、宇宙飛行士たちの命を支えた実績と、
技術への信頼が詰まっているんです。ロマンを感じますね。
NASAがオメガを月面着陸計画に選んだ理由
NASAが数ある時計ブランドの中からオメガを選んだのは、スピードマスターの“極限環境への耐久性”が他を圧倒していたからです。
1960年代初頭、NASAはジェミニ計画およびアポロ計画において、宇宙飛行士が使用できる腕時計の選定を始めました。その際に行われたテストは非常に厳しく、以下のような条件が課されました:
- +93℃から−18℃という急激な温度変化
- 11Gの加速度に相当する衝撃
- 真空状態・高湿度・塵埃・腐食テスト
- 高音・高圧などの宇宙特有の環境条件
これらのテストにおいて、最後まで正常に動作し続けたのはオメガ スピードマスターだけでした。他ブランドの時計はガラスが割れる、機械が止まるなどの理由で脱落していきました。
この事実に基づき、1965年にNASAはスピードマスターを「公式採用時計」として認定。アポロ11号を含む有人宇宙飛行に正式採用されたのです。
さらに、アポロ13号のミッション中に発生したトラブルでは、船内のデジタル計器が機能不全に陥った際、スピードマスターが再突入時のタイミング計測に使われ、無事の帰還を支えたという記録があります。
NASAという科学と信頼の象徴が選んだことで、スピードマスターは“地球外でも頼れる時計”という評価を獲得しました。その後のムーンウォッチ伝説の礎となったのです。
スピードマスター日本限定モデルがなぜ特別視されているのか?

スピードマスターの日本限定モデルは、国内市場における高い人気と独自性から特別な評価を受けています。その代表格が「3570.40 Speedmaster Professional MARK II」―夜神月が着用していたとされるモデルです。
2004年に発売されたこのモデルは、アポロ11号の月面着陸35周年記念として、日本市場限定で2,004本のみ販売されました。当時、日本は世界的にもスピードマスター人気が高く、オメガもそれに応える形で特別仕様を展開していたのです。
このモデルが特別視される理由は以下の通りです:
- 初代MARK IIのレーシングダイヤルを忠実に再現
- 日本市場限定の少数生産(2,004本)
- 通常のプロフェッショナルとは異なるオレンジ配色と視認性の高いデザイン
- 国内外のスピードマスターファンの間で評価が高く、希少性が年々上昇中
さらに、オメガは日本市場を戦略的に重要視しており、他にもシェルダイヤルやサクラモチーフなど、日本独自の美意識を取り入れたモデルを多く展開しています。
このような背景から、3570.40は単なる限定品を超えた“コレクターズアイテム”としての地位を確立しているのです。

3570.40のような日本限定モデルは、
“知る人ぞ知る一本”として時計好きに密かに人気なんですよ。
現在の中古市場での価格推移と価値
スピードマスター3570.40は、現在の中古市場でも非常に高い人気と価値を誇るモデルです。その背景には、限定性・希少性・人気キャラクターとの結びつきという3つの要素が揃っていることがあります。
2004年当時の新品価格は税込約30万円前後でした。しかし2020年代に入り、国内外のコレクターや『DEATH NOTE』ファンの注目が高まったことで相場が急上昇。現在では、コンディションや付属品の有無によって異なりますが、中古市場で60万〜90万円程度で取引されることも珍しくありません。
この価格推移の主な要因は以下のとおりです:
- 世界限定2,004本という流通数の少なさ
- DEATH NOTEとの関連で注目される機会が増加
- スピードマスター自体の世界的需要の上昇
- 日本国内での保管状態の良い個体が多く、品質面でも人気
さらに、海外市場においても「JAPAN LIMITED」としての知名度が上がり、逆輸入的に海外バイヤーの関心も集まっている状況です。
時計は、単にブランドやスペックだけでなく、「どんなストーリーがあるか」で価値が決まる時代。3570.40はその典型例といえるでしょう。
今後も希少性と物語性を兼ね備えたモデルとして、中長期的な資産価値が期待されています。コレクションとして保有するにも魅力的な一本です。
リューズを4回引く仕掛けは現実に再現できる?

原作『DEATH NOTE』に登場する「リューズを4回引くと隠し収納が現れる」仕掛けは、現実の腕時計では実現が極めて困難です。これはあくまでフィクションの演出であり、時計そのものの機構とは異なります。
一般的に、機械式腕時計のリューズは最大でも2〜3段階の引き出し構造しかありません。例えば、1段目で日付調整、2段目で時刻調整が行える仕組みが主流です。そのため、リューズを4回も引き出せる設計自体が非現実的であり、物理的にもスペースや構造上の制約があります。
また、夜神月が劇中で使っていたように文字盤の裏に小さな紙を収納するような改造は、高級腕時計では推奨されていません。内部の防水性や精度に悪影響を与える可能性があるため、時計技師やブランド正規店でもそういったカスタマイズは基本的に対応していません。
この演出は、作品の緊張感やサスペンス性を高めるためのストーリーテクニックです。腕時計の機械的信頼性よりも、視覚的なギミックとしての魅力が重視された演出と言えるでしょう。
まとめると、「4回引くと仕掛けが出る」という描写は現実的ではなく、フィクションならではの創作です。しかし、それによってスピードマスターの存在感が一層際立ち、作品に深みを加えたのも事実です。

オメガのスピードマスターは、実際の宇宙ミッションでも信頼された精密な時計です。
劇中の仕掛けは創作ですが、それもまた作品の魅力なんですよ。
デスノートと改造された時計の演出が示す“死の象徴”

『DEATH NOTE』に登場する改造腕時計は、単なる小道具を超えた「死の象徴」として物語に深い意味を与えています。その演出は、主人公・夜神月の内面や行動原理を視覚的に伝える重要な要素です。
物語終盤、月はリューズを4回引くことでノートの切れ端を取り出し、対峙するニアたちを抹殺しようとします。このシーンは、時計が“死を仕込む道具”として描かれる決定的瞬間。時間を管理するはずの時計が、逆に命を奪う仕掛けとして機能するという皮肉な構造が際立っています。
さらに、この演出には以下のようなメタファー的意味も含まれています:
- 「時間=命」というテーマの具現化
- 月が“死を操る神”として振る舞う象徴的アイテム
- ノートと現実世界の橋渡しとしての役割
- 人類の科学技術(時計)と死神の力(ノート)の融合
また、死神リュークの「月は死神以上に死神らしい」という言葉とも呼応する場面でもあり、改造時計は夜神月の変貌と絶望を象徴する「小さな棺」のような存在ともいえるでしょう。
結果的に、その時計が月自身の死を迎える舞台装置となったことは、極めて象徴的です。

この演出、実は非常に詩的なんです。
時間を操る者が、最終的に“時間”に裁かれる。まさに名演出ですね。
まとめ|オメガ スピードマスターと夜神月の関係
記事のポイントをまとめます。
- 夜神月が使っていた時計はオメガのスピードマスター
- 使用モデルは日本限定の3570.40スピードマスター
- 3570.40は2004年発売の35周年記念モデル
- 限定2004本で希少性が高いジャパンリミテッド仕様
- 原作ではリューズにノートの切れ端を隠す仕掛けを使用
- 改造された時計は夜神月の死の象徴として描写される
- 時計が登場する場面は物語の山場に集中している
- 映画版ではシチズンのオルタナシリーズを採用
- スピードマスターはアポロ11号で月面着陸に同行
- NASAの公式テストを唯一通過したモデルが原型
- ムーンウォッチの名は月面任務を経た実績に由来
- 3570.40のデザインは1969年のマーク2ダイヤルを再現
- スピードマスターは現在でも資産価値が上昇傾向
- 中古市場では当時の定価を大きく上回る相場を記録
- 腕時計ファンとDEATH NOTEファン双方に支持されるモデル
このモデルをめぐるストーリーは、フィクションと歴史の交差点にある魅力的な一本です。
さらに詳しい背景やデザインの意味、価格動向などは本文で紹介していますので、購入やコレクションの判断材料としてぜひご活用ください。
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